就業規則の相場が気になって夜も寝られない

就業規則の相場が気になって夜も寝られない就業規則のほっとけない話

就業規則の作成を社会保険労務士事務所に依頼した場合、その費用としてどれくらい掛かるものなのか。
依頼する立場であれば当然に気になるところでしょう。

実は、就業規則の作成費用は、下は3万円から上は数十万円までと、社会保険労務士事務所によって大きな開きがあります。
なので、「相場」を一言でいうのは非常に難しい。
それでも敢えて言えば、20万円程度の価格設定をしている事務所が多いのかなと。

では、20万円が就業規則の相場だとして-
一方で3万円程度の「格安」といっていい就業規則もあるわけです。
なぜここまで価格に開きがあるのでしょうか。
それ考えると夜も寝られなくなっちゃう、という方もいることでしょう。(いや、いない)

価格差は「何を」「どこまで」やるかの違いによる

同じく価格に大きな開きがあるものにホームページの作成費用があります。

当事務所でも過去にホームページの作成を依頼しようと、その費用の相場を調べたことがありますが、それこそ下は3万円から上は数十万円。
なぜこんなにも違うのか? 3万円の業者と数十万円の業者、果たしてどちらに依頼すべきなのか? と大いに悩んだものです。

で、色々と検討していくうちに、両者には決定的な違いがあるということがわかってきました。

その違いとは「何を・どこまでやるのか」
単にホームページとしての「形」だけを作ってくれるのか、それともSEO対策や集客支援といった内容までサポートしてくれるのか。
価格の差はそこの違いによるものだったのです。

就業規則作成の費用についても、これと同じことが言えます。
つまり、就業規則作成の価格に大きな開きがある理由は、「何を・どこまでやるのかの違い」だということです。

当事務所の就業規則が20万円である理由

当事務所では、就業規則本則の作成は20万円(税別)を頂戴しています。
前述の通り、20万円というのは「相場」と言っていい価格。

でも、3万円の格安就業規則に比べると高額なのは間違いありません。
この価格差の理由が「何を・どこまでやるのかの違い」です

当事務所では、労務管理上の問題の未然防止と解決のためのコンサルティングサービスの一環として就業規則の作成を手掛けております。

これの意味するところは、就業規則の作成そのものが目的なのではなく、労務管理上の問題の未然防止と解決のために不可欠なものであるが故に就業規則を作成するということ。
つまり、就業規則は目的ではなく手段であると考えているということです。

まず、この時点で、単に就業規則としての「形」だけを作るサービスとは、一線を画していると自負しています。

このサービスは、具体的に次のような工程で行っていきます。

  • STEP
    問題点やご要望のヒアリング

    業種や企業規模といった個々の状況、経営理念や経営者の「思い」、そして現状での労務管理上の問題点やご要望を詳細にお聞きします。
    なお、このヒヤリングは、STEP2、STEP3でも繰り返し行い、問題点やご要望をあぶり出していきます。
    また、現行の就業規則がある場合は、内容に不備か無いかどうかや、労務問題を予防・解決できる内容になっているかどうかを精査します

  • STEP2
    基本方針の策定と原案の作成

    ヒヤリングをもとに労務管理上の問題点に対し改善案・解決案を策定し、就業規則の基本方針と原案を起草します。

  • STEP
    就業規則の作成

    起草した基本方針と原案をもとに、条文ごとに、その必要性と期待される効果等をわかり易くご説明します。そのうえで、一条一条、一言一句に至るまで綿密に改良、追加、修正を施し労務問題の未然防止と解決に向けて精度の高い就業規則を作り上げていきます。

  • STEP
    従業員への提示と説明

    作成した就業規則を従業員に提示し概要を説明します。(従業員への概要説明はプラス3パック、プラス6パックのオプションとして承ります)
    なお、就業規則の作成・変更は従業員の同意を必要とはしませんが、不利益変更に該当する場合は個別の同意が重要となります。あんしんパックでは労働契約書や同意書の作成もサポートします

  • STEP5
    労基署への届出と貴社へのお引渡し

    完成した就業規則を労働基準監督署に届出します。
    届出後、労働基準監督署の受付印が押印された就業規則とWordデータをお引渡しします。

こうした工程を経て就業規則を作り上げていくためには、どうしても十分な時間をかける必要があります。
STEP1~3の過程において1回約2時間×月2回程度の打ち合わせを行ないながら、完成までに本則だけでも少なくとも3ヵ月、諸規程も含めると6ヵ月程度は普通に掛かります。

掛けるのは時間だけではありません。
全ては、単に就業規則という「形」を作るためではなく、労務管理上の問題の未然防止と解決のための作業です。
なので、当事務所の知識と経験と労力を総動員して事に当たります。

少なくとも当事務所は、これを3万円で受けることはできません。
こうした点を踏まえ、当事務所の就業規則作成は、その対価としてふさわしい料金設定とさせていただいているしだいです。

自前で作れば無料ではあるけれど…

ところで、先ほどお話しした当事務所のホームページ作成の件。
3万円の業者と数十万円の業者のどちらに依頼すべきかで散々悩みましたが、出した結論は「自前で作る」でした。

夜も寝られないほどに悩みすぎで結局は決めきれなかったことと、過去にも見様見真似で作ったことがあったので、そのような結論に至りました。
そうして出来上がったのが、今ご覧いただいているこのサイトです。
どうでしょう?「形」としてはそこそこ悪くない出来だとは思うのですが…

しかし、そこはやはり素人芸の域を出ません。
そもそも欲しかったのは、ホームページという「形」ではなく「集客装置」としての役割。
その点においては残念ながら思惑通りの効果は出せていません。
「形」を整えるまでにかけた時間と労力のことも思えば、相応の対価を支払って業者さんにお願いしたほうが良かったかなという、ちょっとした後悔の気持ちがあります。

就業規則もそうです。
行政で配布しているモデル規程をもとに改良を加えていけば自前で作成することは可能です。
ただし、その作業は想像以上にたいへんなものになるはずです。
そもそも、就業規則は法令に反してはならないとされているので、法令を熟知していないことには就業規則の作成・改変は困難だと言えるでしょう

ホームページの作成であれば、私が味わったような「ちょっとした後悔」で済みますが、就業規則作成の場合は、労働基準法その地の労働法令や判例等も絡んできますので、その程度では済まされないでしょう。

法令違反で労基署等の是正指導を受けたり、従業員とのトラブルで裁判沙汰になったり・・・ 場合によっては会社の存亡にかかわるような大怪我にだってなりかねないのです。

何が良いかは一概には言えないが…

就業規則の作成を依頼する先は、社会保険労務士事務所か弁護士事務所となりますが、サービスの内容や質は事務所によって千差万別といってよいでしょう。

なので、夜も寝られないくらいに悩むべきは、価格ではなく「何を・どこまで」やってくれるのかという点であり、それが貴社のニーズに合致しているかどうかだと言えます。
もちろん価格も大事ですが最優先事項ではないはずです。クルマを買うときに価格だけで決めますか?

就業規則という「形」だけとりあえず欲しいのであれば3万円の就業規則でもいいでしょう。何なら自前で作ってもいいのかもしれません。
でも、労務管理上の問題の未然防止と解決に力を入れたいのであれば、それなりの対価は必要になるということです。
夜も寝られぬほどに悩んでいる方がいるとすれば身もふたもない結論に聞こえるかもしれませんが、結局は、自社の目的やスケジュールや予算に合わせて選んでゆくことになろうかと思います。

3万円の就業規則が悪いとは申しませんし、20万円だから安心とも言い切れません。
同じ20万円でも、当事務所のように何度も打ち合わせを重ねてじっくりと時間をかけて作っていくところもあれば、1回の打ち合わせだけで1ヵ月程度で完成させるところもあるようです。

1回の打ち合わせだけで1ヵ月程度で完成させるところが悪いということでもありません。
お急ぎの場合や、何度も打ち合わせを重ねるのが煩わしいという企業にとっては、むしろそういう方がニーズに合っているでしょう。

その意味から言えば、当事務所の就業規則作成サービスは万人受けするものではありません。そこは自覚しています(笑)
そもそも万人受けしても困ります。一社一社としっかりと向き合い、じっくりと作り上げていく当事務所の手法では大量生産には向かず自ずと限界がありますので。

この機会にじっくりと自社の労務管理を見つめ直してみたいという企業や、総務担当者を同席させて一から労務管理について勉強させたいという企業には、当事務所のサービスはとても喜んでいただいています。

当事務所のサービスが「我が社のニーズに合致しているかも」と少しでも思われたのなら、ぜひ一度お問合せください。