選ばれない会社になっていませんか? ~良い人材が採用できないと嘆く前に~

選ばれない会社になっていませんか?

私は人事畑の出身ではありませんので、採用面接について体系的に学んだことはありません。
会社員時代に現場の担当者として面接官を務めたことはありますが、せいぜい5、6人程度のこと。

よって、採用する側の立場として何かを語れるだけの面接に関する知見はありません。

でも、採用される側としてならば語れることが多少はあるかなと思っています。

面接を受けてみて学んだこと

20年ほど前。
10年勤めていた会社が事実上の倒産。
職を失った私は、半年間の再就職活動で13社に履歴書を送り、そのうちの7社で実際に面接を受けました。

そこで学んだことは「採用面接とは、企業が応募者を見極める場であるのと同時に、応募者が企業を見極める場でもある」ということ。
言い換えれば「面接において、会社は選ぶ立場であるのと同時に選ばれる立場にもある」ということです。

当たり前のことじゃないか! 
と、おっしゃる方もいるでしょう。

でも私は、この当たり前のことをわかっていない会社や面接官が意外と多いのではないかと思うのです。
そして、いい人材が集まらない理由の一つがそこにあるのではないかとも強く感じています。

実際、面接に臨んで、あるいは面接以前の電話応対の時点で「この会社はヤバイ!」となってしまうようなことが度々あったのです。

その中で最も酷かった会社の話をしましょう。

約束の時間に面接に行くと…

それは、とある外食産業の採用面接でのことです。

指定された時間に出向いたのは中心街のオフィスビル。
受付の女性に履歴書を渡すと、オフィス内に通されました。

オフィスでは多くの人たちが仕事をしている様子が見えました。
活気があって良い会社のように映りました。
この時には…

ちょっとした来客に対応するためのものでしょうか。オフィス内の一辺にはパーテーションで仕切られたブースがいくつか並んでおり、私はその一つに通されました。

ドアが有り周囲から仕切られているもののオフィスで仕事をしている人たちの声が全部聞こえてくるような場所です。
さすがにここで面接をやるわけではないのでしょう。つまり、そこは待合室というわけです。

ブースはいくつか並んでおり、隣のブースではこの会社の若い男性社員が、取引先と思しき若い女性と商談中のご様子。
やたらと声の大きい男性で、私のブースまで話の内容は筒抜けです。

その内容は、商談というよりも男性のくだらない冗談の独演会といったほうがいいでしょうか。
愛想笑いで何とかその場をしのごうとする相手の女性の困惑の表情が目に浮かぶようでした。

そんな状態で延々と待たされたのです。
その間30分。
とてつもなく長く感じますよ。こういう状態での30分って。

こんな会社は願い下げ

すると、どうやら隣の商談が終わったらしく、二人がブースから出て行く音が聞こえました。
やれ、やれ。くだらない独演会から女性も私もやっと解放されました。

それから間もなくして、ブースのドアが開き「お待たせしましたぁ~」という大きな声と共に、私と同年輩の男性が入ってきました。

えっ? 声を聞いてすぐにわかりました。入ってきたのは、先程まで隣のブースから聞こえていた声の主。
ということは、私はあの独演会のためにこんなにも待たされたということでしょうか。

唖然としながらも立ち上がって挨拶すると「どうぞどうぞお座りください」

えっ? ここで面接するの? 声がオフィス中に筒抜けなんですけど・・・ 
というより、あなたが面接するの?

委細かまわずに面接官はテーブルの上に先ほど私が受付で渡した履歴書を広げて目を通し始めました。

えっ? ひょっとして、今ここで初めて目を通してる?

事前に履歴書を郵送させる会社が多い中、この会社は当日持参させる会社でした。
しかし、いずれの場合でも面接官は事前に履歴書に目を通してから面接に臨むものです。

当日持参の場合はじっくりと見ることは難しいかもしれませんが、それでも事前に一通り目を通したとしても5分と掛かりはしないでしょう。
なのに、この場で初めて目を通すとは!

そして次の瞬間、クライマックスはいきなり訪れたのです。

「ぎゃーはははははっ!」

面接官が突然大声で笑い出したのです。
しかも、あろうことか私が一生懸命書いた履歴書を指差して笑っているのです。

「ぎゃーははははっ、俺と誕生日が同じだぁ~、ぎゃーはははっ!」

もちろん、こんな会社はこちらから願い下げです。

後編に続く

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