選ばれない会社になっていませんか? ~良い人材が採用できないと嘆く前に~ 後編

選ばれない会社になっていませんか?後編人事労務管理

前回は「面接において、会社は選ぶ立場であるのと同時に選ばれる立場にもある」という当たり前のことをわかっていない会社や面接官が意外と多いのではないかということについて、私自身の実体験をもとにお話をしました。

そんな当たり前のことも分からないとは、けしからん!
なんてことを言いたいわけではありません。
そもそも私は、人事畑の出身でもありませんので採用面接について何かを語れるだけの知見はありません。

でも、普通に考えて、こういう会社は「選ばれない」と思うんですよね。
しかも、それは就職先としてだけでなく―

ネットに飛び交う就活情報

就職活動中の学生が情報交換しあうためのサイトが、インターネット上にいくつかあることをご存知でしょうか? 
これらのサイトでは、どこの会社でどんな採用選考が行なわれているかといった情報が会社の実名入りで飛び交っています。

こうした専用サイトだけでなく、ネット上では、真偽のほどが定かではないものや誹謗中傷なども含めて、採用選考に関する様々な情報が会社名込みで流されていたりもします。

私はしなかったし又する気もありませんでしたが、前回ご紹介した私自身の体験談を就職活動サイトに投稿していたら、その会社はどうなっていたでしょうかね。
少なくともその会社にとってプラスに働くことはなく、何らかの良くない影響が出ていたかもしれません。

私がしなくても、私と同じような目にあった他の誰かがしたかもしれませんし、当時に比べよりネットが身近になった昨今であれば、その可能性はなおのこと高いとも言えるでしょう。

選ばれないのは就職先としてだけではな

繰り返しになりますが、採用選考の際の会社の雰囲気や面接官の態度などから「この会社はパス!」と応募者に感じさせてしまうような会社は、採用選考においては、会社は選ぶ立場であるのと同時に選ばれる立場にもあるということが分かっていないのだと思います。

しかも、それがもとで悪評が立つようなことにでもなれば…
このような会社は、やがて必然的に「選ばれない会社」になっていってしまうものです。

それだけではありません。
気をつけなくてはいけないのは「選ばれない」のは「就職先として」だけではないということです。

一般の消費者を相手に直接商売を行なっているような会社であれば、採用選考時の対応の良し悪しによっては、大切なお客様を失ってしまうことにだってなりかねません。

事実、私は、あのひどすぎる面接以降その会社が経営する飲食店には一度も行っていません。
採用面接であのようなお粗末な対応しか出来ない会社が経営する飲食店が、まともなサービスを客に提供できるとは到底思えなかったからです。

こうしてこの会社は、たった一人とはいえ確実に客を失ったのです。
もし、私がこの話をどんどん広めていたら、この会社はもっと多くの客を失うことになっていたかもしれません。

採用選考の時点での応募者というのは「将来のわが社の従業員」となる人かもしれないのと同時に「将来のわが社のお客様」となる人かもしれないのです。

会社の維持と成長のためには良い人材の確保は欠かせません。
そのための採用選考であるはずなのに、その対応の不味さによって良い人材から就職先として選ばれないばかりか、客からも選ばれない会社になってしまうなんて、あまりにも悲しいことではないでしょうか?

後日談

くだんの会社は、その後経営が行き詰まり破産しました。
飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長を遂げた会社ではありましたが、急拡大による出店費用や従業員の教育が負担となっていった結果とのことです。

「そらみたことか」というつもりはありません。
でも、「さもありなん」とは思います。

別に、いまだに恨みに思っているなんてことは全然ないですけどね。

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